ICS JOURNAL

国産木材体験ツアー2015「山の樹から家の木へ」

今年度も日光地区木材流通研究会(木流研)主催のインテリアマイスター科研修旅行、
国産木材体験ツアー2015「山の樹から家の木へ」に参加させて頂きました!!
何と今回で15年! 私も年を取るわけです。。。。

 この研修は、木を植えるところから製品として流通するまでの国産木材の流れを、実際の体験・見学などを通して学習し、これにより「材料の生産・流通・価格の関係」「杉・檜(ひのき)のメリット・デメリット」等の国産材の理解を深め、今後、物作りの現場で必要な知識を習得する事を目的としています。

では、今年度の研修のもようをお伝え致します!!

8月5日 AM7:30上野駅集合! レンタカーにて、いざ栃木に向け出発です!!!
残念ながら体調不良で2名の欠席者が出てしまいましたが、その学生たちの為にもいっぱい写真を載せてお伝えしていきまーす!

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鹿沼市の高見林業到着!
さっそく研修スタートです!!
研修の目的や今回の研修スケジュールの確認、山での実習の注意事項等をお話頂きました。

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何とも素敵な景色!! ここから更に山の中へ歩いて移動していきます。
途中、間伐(かんばつ)についてや、昨年の雪害(せつがい)についてお話をいただきながら移動していきます。

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現場に到着! まずは伐採(ばっさい)で使用するチェーンソーについて説明頂きました。
マイスター科の学生は道具好きが多いようで、皆、真剣に聞いています!

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女子も持たせてもらって感動!?

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ジェイソン コンさん! 笑顔(笑。。。

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大径木(だいけいもく)の伐採実習。まずは倒す方向に受口(うけぐち)を作ります。深さは丸太の直径の1/4〜1/3で、角度は30°〜45°。

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次に追口(おいくち)です。今回は、韓国でチェーンソーの使用経験のある、留学生のコンさんが切り進めます。
写真はありませんが、倒す方向をより正確にするために、今回はワイヤーでテンションをかけながら進めていきました。

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伐採動画です。どこまで迫力が伝わるか分かりませんが、何度見ても、この瞬間は迫力があり、また、命を頂いた責任を感じる一瞬です。

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次は高性能の林業機械の見学です。
この機械を使用する事で、間伐作業の時間が一気に縮小出来ます!
材料をはさみ、伐採、枝払い、玉切り、集積をこの1台ですべて一瞬で進めていきます。
しかし、この機械、この先端部分のみでフェラーリが買える金額でございます。。。

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言葉では伝わらないと思うので、またまた動画にてご覧下さい。

木流研お楽しみのカレーランチ!! 齋藤さんの奥様お手製!
サラダのトマトやかぼちゃコロッケのかぼちゃも自家菜園にて収穫された物だそうです!
齋藤さんの奥様、本当にいつも美味しい手料理をありがとうございます!!

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午後からは植付(うえつけ)作業と下草刈(したくさか)りの実習です!
こちらは苗木(なえぎ)の植付作業です! 暑い中、平地で3本植えるだけでも大変でしたが、林業家の皆さんは、斜面で300本も一日に植えるのだそう! 本当に尊敬します。

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掘った土を大切に、他の枝やゴミが入ってしまうと苗木が枯れてしまうので、気を付けて土を戻し、苗木の回りを足で踏み固めます。しっかりと大きく育って欲しいです!

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これは昨年度の学生が植えた木です! ツタにも負けず、しっかりと腰ぐらいまでの高さまで成長していました。

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今年度の学生が植付した木で記念撮影です。

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次は下草刈りです!
最近では機械を使用して行っていますが、危険なので鎌(かま)を使用して行っていきます。
鎌も立派な刃物です、振り回しても他の人に当たらない距離感をもって、かつ刃物の先に身を置かない等の注意を守って進めて行きます。

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間伐でも、下草刈りでも厄介(やっかい)なのがツタです! 手で苗木を痛めないように慎重に解いて行きます。

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無事に林業体験の実習を終え、栃木県の研修施設「21世紀創造の森」へ移動。もう何年もお世話になっていますが、手入れが行き届いていて、何年経ってもきれいな研修施設です。

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さっそく、栃木県県西環境森林事務所の塩田先生に「栃木の林業と森林計画」について講義をして頂きました。

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講義のはじまりに、杉と檜の葉を見せて頂きました。皆さんは、どちらが杉で、どちらが檜か分かりますか?

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答えは、左が杉で右が檜です。この針状の葉が杉。

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平べったい感じの葉が檜です。

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他にも、森林の整備や森林の保全についてお話を頂きました。
現状、栃木県の面積の55%、35万haの森林があり、そのうち31%が杉、檜が20%だそうです。しかし、林業の採算性の悪化や、木材価格の長期下落などに起因する間伐などの手入れの行き届かない人工林が増え、また、クマや鹿による森林の皮剥(かわは)ぎ被害が拡大し、森林経営の意欲の減退が問題となっているそうです。
画像はクマが杉の皮を剥(は)ぎ、樹液を舐(な)めている所です。
林業家の皆さんが、一生懸命、何十年も下草刈りや、枝打ちなどをして大切に育てて来た木が、一瞬でダメになってしまいます。一見かわいい画像ですが、事態は深刻です。。。

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一日の工程も終了し、入浴後の夕食、懇親会です! 稚鮎(ちあゆ)のフライなど、またまた美味しい料理を頂きながら、色々なお話をさせて頂きました。皆、良い子に23:00解散でした!

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6:00起床! 皆でラジオ体操!

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朝食前に林業機械の運転体験です!

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私もチャッカリ体験させて頂きました!

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21世紀創造の森での研修も終え、ハンドメイド家具工房の「森戸工房」を見学させて頂きました。
森戸工房のハンドメイドは、相当こだわり抜いたハンドメイドです。
ヒンジ等の金物も手作りされており、木目も扉は左右対称で微妙に反った曲面で作られていて、裏板は突板を貼った合板(合板もハンドメイド)で出来ています。なんと、作る為の鉋(かんな)等もハンドメイド!

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すみません。。。。見学に夢中で、皆さんが一番みたいであろう、ショールームでの作品写真がありません。

次にオークビレッジ木造建築研究所の井深記念塾の移設現場を見学させて頂きました。

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このフローリング貼り、本当に大変そうです。

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木流研会員 有限会社モード設計事務所 石川さんが設計された街の駅で昼食を頂き、その後、見学をさせて頂きました。

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街の駅から、すぐ近くの伝統工芸館に移動し、山車(だし)の見学です。
日光東照宮の造営の折、全国から腕利きの職人が鹿沼に集結し、その技術が伝承され、大いにその技術力を見る事が出来るのが、この鹿沼の山車です!
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なんと、伝統工芸館にも森戸工房の机と柱時計が置かれていました。

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建具(たてぐ)・組子(くみこ)の豊田木工所見学

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まさに日本の伝統工芸だと思います。
今回は実際の加工現場は見学できませんでしたが、これらの加工は手鉋(てがんな)で切ったり薄皮1枚残して削ったりされています。

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この後、西村製材所に移動し組子の体験です!

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無事完成です! 作ってみて、加工精度の高さに更に感動しました!

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組子の体験が終了し、西村材木店の西村さんに、木材の木取りについて、特に柾目(まさめ)と板目(いため)についてレクチャーを頂きました。

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講義を終え製材所の見学です。
この写真の木は、今回の研修にて伐採させて頂いた杉です。
製材する際に、刃物を傷めない様に皮を剥いであります。

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製材の機械バンドソーです。木材が固定された台車が移動し、加工されます。

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バンドソーの目立てを行う部屋です。何本もの刃が保管されていました。

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この製材された木材で、全員、柾目と板目が完璧に理解出来たそうです!!

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一通りの研修を終え、終了式です。
一人ひとり会長の大貫さんから修了書を頂きました。

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最後に記念撮影。

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帰りの高速入り口にビックリな看板が!
「アイ・シー・エス 木工所」
ICSに栃木工場が!?

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参加した学生の中から、いくつか感想をご紹介します。

●米沢くん
今回、国産木材体験ツアー「山の木から家の木へ」という事で、栃木県鹿沼市の木材生産、流通、加工の現場を尋ね、実際にそこで働いている方々から直接お話を伺ったり、その仕事の一端を体験させて頂いて、なかなか経験できない貴重な機会になりました。

特に林業の現場などは、ふだんの生活では製品化された木材という間接的な形でしか触れることの出来ない生きた木を育て、伐採していく過程を自分の目で見て、そこで働いている人たちと触れ、自分の世界が広がったように思います。
木というものは、あくまで生き物で、決して再現なく湧(わ)いて出る資源ではなく、時間をかけてゆっくり循環(じゅんかん)させて行かねばならないものであること、そこには大きな苦労があることを実感しました。

二日目に訪ねた森戸さんの家具工房では、今までは価値のなかった節や穴の空いてしまった楓(かえで)にこそ価値を見い出して素晴らしい作品を作る姿や、過去の乱伐(らんばつ)などで絶滅に瀕(ひん)してしまった貴重なブラジリアンローズウッド材なども見せて頂いて、木材資源の枯渇(こかつ)という現状を感じましたし、これからの時代の特に木製品における物作りやそれを使う側も含めた価値観のあり方というものが、どうあるべきなのかという事を考えさせられました。

実際の物作りの工程についても、構想やデザイン実作に至るまでの過程や考え方、鉋をはじめとした道具や金物に至るまで目的に合わせて自作するようなこだわりなど、とても興味深く参考になりました。

二日目間という短い期間ではありましたが、初めて体験したり知ることも多く、よい経験になったと思います。

●山内くん
今回の研修では、いろんなことを実感しました。材料といっても種類によって加工の方法がまったく異なり、それぞれに手間をかけて加工するだけでなく、元となる一本の木を育てるのにも気の遠くなるような年月をかけ、それでもうまくいくか分からないという、非常に地道な作業と気遣いの重なりで初めて一つの製品ができるのだと今回の研修から学び、木材をもっと大切に使わなきゃいけないと思いました。
今まで、林業の事は、山で木を切って加工するという言葉程度の事しか知らず、ここまでの苦労と地道な努力をしているとは知りませんでした。
今回の研修がなかったら、この苦労と努力の塊(かたまり)とも言える木材に込められた想いの大きさなど考えもしなかったんじゃないかと思い、今回の研修で、とてもに身になる体験をしたと思いました

●コンくん
今回の林業体験ツアーに行ってきて、多くのことを再度、考えていました。
一つ一つの木が様々な材料になるまで、多くの課程と努力。
材料になっても、その材料が職人の手によって作品になるまでの過程。
一つの作品になって、家庭では本当に便利に使用されるまで。
学校での授業も重要だが、このような現場の体験授業も、非常に重要であると改めて感じます。

●和田さん
私達が何も考えずふだん使っている木が、たくさんの人の手と時間を掛けているなんて知りませんでした。私達が材料として買っている木は、何十年も前に植えられて大切に育てられてきた木だという事を知りました。木を育てる過程を自分で体験してみて、今までと木に対する気持ちが変わりました。とても貴重な体験だったので、これからの物作りに役立たせていきたいです。