インテリアアーキテクチュア&デザイン科

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2014年7月 アーカイブ

2014年7月 7日

木を曲げたい!!「成型合板」

現在インテリアデザイン科2学年が家具のデザインと実作の課題を行っています。
そんな中、学生からの質問で木を曲げたいという質問がありました。今回は木を曲げるということで「成型合板」と「曲げ木」について皆さんにも簡単に説明しますね!

今回は成型合板です!

先ずは成型合板を説明する前に合板について知ってもらわなくてはいけないと思います。

合板(ごうはん)Plywoodとは、薄くスライスした単板を奇数層、繊維方向を
90°回転させながら、互い違いに重ねて接着した木質ボードのことです。この様にして面材を作ることで本来木材が持っている繊維方向による強度の違いを無くし、木材の反り(変形)を少なくしています。
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成型合板ですが、これは凸と凹の型の間に薄くスライスした単板を接着剤を塗り重ねて型にはめることでその間の形に曲がった部材が完成するというものです。
形態により面材の場合、合板のように互い違いに単板を積層するものと、脚などの様に線材の場合必要な強度は1方向なので互い違いには積層せずに同じ繊維方向で積層します。又角材の一部分だけを曲げる物を「部分成形」と言い、アルヴァ・アールトの脚がそれで出来ています。
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成型合板で出来た作品ですが、成型合板と聞いて私が真っ先に思い浮かぶのは「チャールズ・イームズ」や「アルバアアルト」であり。日本のメーカーでは「天童木工」ですが、代表的な作品を紹介しましょう!

チャールズ・イームズ LCWチェア
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画像出典MOMA STORE

医療用添え木「レッグ・スプリント」
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画像出典 Mid-Century MODERN Blog

アルヴァ・アールト
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最後の写真がアアルトが行った実験の物です。部分成形が良くわかると思います。上の開いている部分に接着剤を塗り、型にはめて乾燥させると椅子の用にL字の脚が出来上がります。
参考図書:いす100のかたち ヴィトラ・デザイン・ミュージアムの名品

天童木工の名作!
S-0521MP-ST バタフライスツール
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S-5026TK-ST ムライスツール
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成型合板の大きなデメリットは型の金額がかかってしまう事だと思います。ですが上で紹介した作品はどれも同じ形の組み合わせで出来ているので、製作する型の種類は1つだけで良いのです!!スゴイですよね!!!!
画像出典:天童木工 


学校でも20年ぐらい前から成型合板にチャレンジしていて、型の金額を押さえるためにスタイロフォームで作ったり色々なチャレンジをしています。
是非みなさんもICSでチャレンジしてみてください。

木を曲げたい!! 「曲げ木」

前回に引き続き、「木を曲げたい!」と言う学生からの質問にお応えして、今回は「曲げ木」について説明しますね!

曲げ木とは木材の持っている塑性を利用したもので、木材に水分や熱を加え塑性を増し、、、、と書くと難しくなってしまうので、ざっくりと解りやすく書くとこんな感じです。
木材は水を付けると柔らかくなります。更に蒸したり、煮たりするともっと柔らかくなります。そうして柔らかくなった木材の外側に鉄板などの割れを防ぐ板を当てて曲げ、その後木材を固定し乾燥させることで材料を曲げる手法です。

この写真右が大きな蒸し器で、そこから蒸された角材を取り出している所です。
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次にぞの材料の曲げる方向の外側に鉄板を当て、型に沿わせて曲げていきます。
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こんな感じで乾燥させると曲がった材料が完成します。
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画像出典:公益財団法人 あきた企業活性化センター「秋田木工株式会社」

この曲げ木でやはり有名なのはトーネットであり、日本の工場では秋田木工が真っ先に頭に浮かびます。

トーネットは最初に工場による大量生産を確立した人であり、各パーツをそれぞれの部署で作り、ノックダウン(分解)方式で出荷されるため、効率的な大量輸送が可能でした。 
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上の曲げ木のプロセス写真及びノックダウンした状態の写真全てこの「カフェチェアー」
トーネットの椅子"No.14"この椅子は椅子史上、最高傑作にして最大のベストセラーと言われ今日までに2億脚が生産されたといわれています。
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画像出典:ism

他剣持勇がデザインした、シンプルな美しさと機能性を兼ね備えた名作。no202
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都市生活向けの家具として設計されており、省スペース化を実現するためスタッキングが可能になっており、木部の色や張り地の数が豊富で、100通り以上の組み合わせの中から選べるそうです!
実はこの椅子私も大好きで4脚所有しております。曲げ木の足の部分は少し「むくったような面取り」に成っていて、重ねて置いてもその後直ぐに抜くことが出来るのです!これが普通に平らな面で仕上がっていたらきっと摩擦で抜けにくく成ってしまっていたでしょう!
デザイン・強度・生産性・コスト等々本当によく考えられた作品です。

私も以前曲げ木でバングルを作ったことが有ります。電気ポットの中に5ミリ程度の木を入れ、2時間ぐらい放置し、その後手首の形の方に沿わせて巻、2日程乾燥させると形は出来ます!その後形を整えて研磨し、塗装して完成です。大切なことは木を曲げる時に外側に布ベルトでも鉄板でも良いので必ず添えて割れをふせくことです。一度無しでやってみたら直ぐに折れてしまいました。興味ある人はICS田村迄お声がけください!
画像出典:秋田木工株式会社

2014年7月25日

INT2 家具課題講評

7月25日(金)本日は昨日提出となりましたインテリアデザイン科2学年の「家具デザイン2」の講評会が行われました。
この課題は単に椅子をデザインするだけではなくICSの校舎内に設置場所を決め、その場所の空間性や人の行為等々を考慮し「座」をデザインする課題です。

私も講評に参加していたので全ての作品を撮影できませんでしたが、いくつかご紹介致します。
先ずはポッとする作品
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この作品はICSのエントランスに設置されていました。
この椅子(ICSに新しく生まれた生物(ペット))はICSの入り口で暖かく全ての人」を出迎えてくれるそうです(^_^;)

次はシリコンとウレタンで出来たスツールです。
受付の前に梱包された箱状の物が置かれていて、なんと!それがスツール!!
荷物を結んでいるように見せている黄色の紐もシリコンチューブで、中に黄色い絵の具を入れて制作したそうです!触った感じも座った感じも面白い作品でした!!
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1階のPC用椅子。。。なんとバランスボールです!!
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現在は立ち上がった時に転がってしまったりまだまだアイディアとしては生な状態ですが、この椅子がきちんとした製品になれば腰の悪い私も絶対に欲しい商品です!

階段の踏面に設置する携帯式の椅子
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折りたたみ式ですので、色々なテラス階段等で設置できます

今年度は例年A+SAの溶接機をお借りしていたのですが、ICSでも新しく溶接の機械を購入したので鉄の作品も多く見受けられます。
コチラはチュートリアルブースの角にひっそりと座るための椅子で蜘蛛の巣をイメージし、更に座面はホコリをイメージして製作したそうです!
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コチラも鉄を使用して作った作品です!手摺の構造を上手く捉えてデザインしていると思います。
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最後に紹介するのは自動販売機横に設置された椅子「カン」
アルミ缶が拡大されたような作品で面白いですよね!
中には合板の構造体がしっかりと入っており、且つ斜めに潰れた感じがとっても良かったです!
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2014年7月28日

学生の為の成型合板(ルール違反?)

前回アップ致しました「INT2 家具課題講評」Part2です。
今回はチョット変わった方法で成型合板にチャレンジしましたのでピックアップしてお伝え致します。
本来成型合板は「木を曲げたい!!「成型合板」」でもお伝えした通り雄型と雌型の間に単板に糊を塗って挟み、乾燥させて作るのがセオリーですが、このやり方では型の精度はもとより、型の製作に掛かるお金が学生にとっては大きな負担と成ってしまいます。そこで今回は新たな試みとしてスタイロフォームで雄型のみ制作しビスの圧着力で成形をするという手法にチャレンジしました。この手法で成型合板をする事で上の問題は解消し、本来考えなければいけない、「抜け勾配」もあまり気にしなくて良いので、チャレンジしました!

スタイロフォームで作った型ではビスが効かないのでこの様に角材をスタイロに埋め、そこをめがけてビスを50ミリピッチ程の間隔で打っていきます。ひたすらビスを打ち続けます。。。
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写真では分かり難いですが三日後、今度は打ったビスを抜きまくってます!!
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そして、外した物の耳を落として揃え、木ネジの穴にパテを埋めた状態です。
これに外側はブナの突板を、内側と木口にミルクペイントの白で塗装をして行きます。
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完成した物を実際の設置場所に置き、講評を行っている所です。
この作品は写真のように、ICSのリソースにて本を選ぶ時にチョット腰掛けて本を見る時用にデザインされた物だそうです。
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下の貫があまり計画されていない形態なので少し違和感を感じますが、今後再度検討し作りなおすそうです。
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以上。学生の為の成形合板でした!
この手法で製作した場合全体的に凸凹が出来てしまい、又接着も甘くなってしまいますが、学生がデザインの検証等に製作するにはこれで十分だと思います。
皆さんも興味があれば是非課題等でチャレンジしてみて下さいね!

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