INT-2 家具系課題『座る形』
インテリアデザイン科2年生の前期最終課題は、家具系課題『座る形』でした。
この課題は、ICS柿の木坂校舎内の空間に、その場所の状況に応じた「座」の姿勢をとるに適したデザインの提案を行うことが求められました。
インテリアデザインを学ぶ学生として、住宅・店舗といった空間デザインからの延長としての道具・家具を計画するだけでなく、道具・家具デザインからの延長としての空間デザインを考えることの重要性を意識し、ICS校舎内部という身近な空間を構成する一要素として、適切な形を作り上げることが必要となります。
課題ではまず、設置場所を決定し実測を行いながら空間のスケールを把握して行きます。
そして1/5程度のスタディーモデルを沢山作成します。
課題が始まってから二週間後に、これまでに作成したスタディーモデルや図面を使って中間発表を行います。
中間発表の結果はデザインの担当チューターからフィードバックを受け、この後に始まる原寸プロトタイプの作成に反映させて行きます。
また、今回のプロトタイプ制作に使用する素材(ex.木材、金属、布、FRPetc)は自由ですが、素材の特性を把握した上で製作を行うことが求められているので、提案したモデルに対して適切な素材のセレクトができているかどうかについても、家具製作のスペシャリストである先生方から厳しいチェックが入ります。
その後、実作に向けて現寸図の作成や工程表のチェックを行い、プロトタイプ制作に入ります。提出日が近づくと、教室のそこら中が制作スタジオになり、各々のペースで完成に向けて作業を進めて行きます。
△スタイロフォームを使った制作
△モルタルを使った制作
ICS柿の木坂校舎の地下工房でも、担当の先生方から制作ノウハウに関する指導を受けたり、難しい作業については補助を受けながらの実作が進行して行きます。
△作業台では最後の仕上げ作業中
△ボール盤での作業補助を行う田村先生
△接着を行うのにも工夫が必要です
約二週間のプロトタイプ制作期間を経て、課題最終日には設置場所に作品を持ち込んでのプレゼンテーションが行われました。通常の課題では、教室で図面・模型などを使ってのプレゼンテーションですが、この課題では現場で実演をしながら行うことに特徴があります。
△地下のテラスで使うベンチの構造をチェック
△1Fリソースルームへ向かう階段の段差を利用した提案
△既存のひつじの形をした家具をもっと活かせる座具の提案
△1Fエントランスの建具枠を上手く利用したスタッキングスツールの提案
△教室のパイプ椅子よりも更に軽い椅子の提案
△教室の椅子の提案 その2
△耐久性に問題ないかを、担当チューターが自ら座って確かめます
△ロッカーの下段を使いやすくするための移動式座具の提案
△屋外階段の手すりを使ったキリンの形をした座具の提案

△教室への日射を遮るルーバー状の折りたたみ座具の提案
どれも力作ばかりでした。
五週間の成果が原寸プロトタイプという目に見える形になるので、学生にとっても達成感の大きな課題です。
今年度より素材を自由にしてのプロトタイプ制作でしたが、それが作品の可能性を広げたことはもちろんのこと、素材と向き合うというインテリアデザイナーとして必要な姿勢を確認できる、良いきっかけ作りができたと思いました。
INT-2担当:戸國義直