インテリアアーキテクチュア&デザイン科

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2012年12月 アーカイブ

2012年12月25日

福祉住環境に向けたインテリアデザインの提案

ICS College of ARTSのインテリアデザイン科では、これからの少子高齢化社会に向けて社会福祉とインテリアデザインについて考えてゆく活動として、以前より専門課程のカリキュラムの中に福祉施設のデザイン課題を取り込むことを計画してきました。 デザイン業界全体を見回しても、高齢化社会を意識したユニバーサルデザインを積極的に採用する動きが加速度を増しており、デザイナーを志すものなら常にそれを意識できるようにならなければならない世の中になってきているので、教育的観点から考えても、デザイナーを育てる学校として社会福祉を意識した課題に取り組む機会を与えることは大変重要であると言えます。

今年度は社会福祉法人善光会の皆様にご協力頂くことで、報道メディアや書籍・インターネットなどを通じて得られる第三者からの社会福祉の現況および将来の見通しだけでなく、福祉の現場から見えるリアルな視点を盛り込んだデザイン課題を実施することができました。 先日、インテリアデザイン科2学年後期デザイン課題として無事に終了しましたので、課題説明、授業の風景、最終プレゼンテーションの様子を交えて紹介したいと思います。

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課題説明は今回の課題の対象空間となる福祉総合施設サンタフェガーデンヒルズ内で実施されました。まずは善光会のスタッフの皆様のご紹介と、施設概要などの説明がありました。 デザイン課題では施設の現状のリサーチと問題点の抽出を行った上で、各自が対象空間を設定しそのインテリアデザインを行います。空間系選択ではインテリアエレメントの配置を含めた全体計画を行い、家具系選択では施設内で使用する家具の原寸モックアップまでを実作することになります。

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課題説明の後は、施設内の見学をさせて頂きました。屋上庭園からは羽田空港が一望できます。ここは家族や地域の方々も参加してのレクリエーションが頻繁に行われるそうです。

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老人保健施設の中に設置されている機能訓練室です。ここでは日中にリハビリテーションのサービスがおこなわれていますので、運動器具が置かれています。学生達も普段は見慣れない空間なので、興味津々にスケッチをしたりメモをとったりと真剣です。

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一階にあるデイサービス専用のレクリエーションスペースです。デイサービスがエントランスに直結していて、送迎のしやすさ等に配慮されていることなど、なるほどと頷く場面が多かったです。一緒に見学されたデザイン担当の先生にとっても勉強になる部分が多かったようです。

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施設見学が終わってから、その内容を分析した上で各自でコンセプトを決定し、デザインエスキスに移ります。デザインの授業は通常のチュートリアル形式の授業に加えて、今回は特別に善光会のスタッフの皆様にも数回に渡って授業に参加して頂きました。いわばクライアントが一緒に参加しながらもの作りを進めて行く、ワークショップのような機会を沢山頂く事ができました。

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通常のデザイン的な視点からの指導に加えて、クライアントとの積極的な意見交換を行う事で、今回のデザイン提案はよりリアリティを増した形に進化させる事ができました。学生は緊張しながらも自分の思いをクライアントにぶつけてみるという、良い練習ができていたように思います。

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五週間の課題の最後の締めくくりは現地でのプレゼンテーションを開催しました。施設の一階にあるエントランスホールで一人一人が作品の発表を行います。

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プレゼンテーションはスクリーンに各々が作成したスライドショーを表示しながら行います。このスライドショーの出来映えも、作品の内容を上手く伝えるために重要です。また、通常のプレゼンテーションと同じように、作成した図面と模型を組み合わせながら持ち時間を有効に使って発表して行きました。

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作品の発表が終わってから、グループごとに講評を頂きました。講評を受ける学生は作成したプレゼンテーションパネルを持ちながら、緊張した顔つきでコメントを聞いています。

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作品の講評は善光会のスタッフの皆様に加えて、担当された先生からのフォローアップコメントがありました。デザイン課題はプロセスでの評価がとても重要であり、五週間という長い期間に渡って一つの作品を共に仕上げてきたデザインチューターの先生からの次へと繋がるメッセージが、学生達が成長して行く上ではとても大事だなと実感します。

この課題を継続して実施することで、これからの社会をデザイナーとして支えてゆくことになる学生達に対して「福祉」を意識させ、より多くの人たちが「安心・安全」な暮らしを実現できるよう、より良いユニバーサルデザインが生み出されるきっかけが与えられれば嬉しく思います。 また、福祉機関と教育機関がコラボレーションする事で、少子高齢化社会に対応するための新たな方向性を模索する良い機会が持てており、この試みがインテリアデザイン業界における住福祉環境に対する取り組みを変えるものになればと感じています。

インテリアデザイン科2学年担当:戸國 義直 

2012年12月18日

INT-1 『江戸東京たてもの園』見学

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 12月13日木曜日に『江戸東京たてもの園』に見学に行ってきました!

INT-1の最後のデザイン課題が住宅のデザインなので、寒いこの時期の見学となりました。

 

江戸東京たてもの園は、1993年(平成5年)3月28日に開園した野外博物館で、園内には

江戸時代から昭和初期までの、29棟の復元建造物が建ち並んでいます。

現地保存が不可能な価値の高い歴史的建造物を移築し、復元・保存・展示しています。

 

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△ 園内は紅葉真っ盛り


園内は3つのゾーンに分けられており、西ゾーンでは様々な建築様式の住宅を復元・展示

してあり、さらに西に行くと、昔懐かしい茅葺きの民家 などがありました。

 

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△ 奄美の高倉

 

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 △ 前川國男 自邸


前川國男は世界的建築家であるル・コルビジェやアントニオ・レーモンドに師事し、戦後

日本に多くの名建築を残した建築家です。

この自邸は1942(昭和17)年に品川区上大崎に建てられた物です。

当時は戦時中でしたので、建築資材の使用制限、延床面積を規制する法律の存在と非常に

困難な状況の中で建築されました。外観は切妻屋根の和風、内部は吹抜けの居間を中心に

書斎、寝室を配したシンプルな間取りになっています。

個人的にとても好きな住宅ですが、学生のみんなはどうだったでしょうか?

 

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△ 三井八郎右衞門邸にて.....

 

東ゾーンには昔の商家・銭湯・居酒屋などがあります。

復元した建物の中には、当時の暮らしや商売の道具・商品などが展示されていました。

 

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 △ 東ゾーンの商店街

 

奥に見える子宝湯は1929年(昭和4)に足立区千住元町 に建てられた東京の銭湯を代表

する建物です。神社仏閣を思わせる大型の唐破風や、玄関上の七福神の彫刻、脱衣所の

折上格天井など贅をつくした造りです。ちなみに映画『千と千尋の神隠し』の湯屋の

モデルとなったそうです。その他にも映画のモデルとなった建物が沢山ありました。

 

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△ 丸二商店(荒物屋)

 

昭和初期に建てられた荒物屋です。小さい銅板片を巧みに組み合わせて模様をかたち作り

建物の正面を飾っているのが特徴です。これらは『看板建築』と言われ、関東大震災後、

商店などに用いられた建築様式。命名は建築史家藤森照信です。

 

典型的なものは木造2階建ての店舗兼住宅で、建物前面に軒を出さずに平坦にしモルタル

や銅板で仕上げて装飾をつます。この装飾で自由なデザインが試みられたため、看板建築

と命名されました。(建築物に商店の「看板」を作りつけたものではありません。)

 

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 △ 理論担当の郷先生も引率で参加してくれました

 

江戸時代から昭和初期までの建築を実地に見学し調査することによって、意匠・技術など

日本の建築の伝統を体得できた見学となりました。

 

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△ 最後に...都電7500形 と (^-^;)

 

Special Thanks

写真提供:RSくん・モデル:HTくん

 

▼ 江戸東京たてもの園

http://tatemonoen.jp/index.html

 

2012年12月11日

INT1 El-5『山手のスタンド』講評

ちょっと前の話になりますが......(^^;)

INT-1のデザイン課題『山手のスタンド』の講評がありました。

 

『山手のスタンド』は、指定された山手線の各駅前広場に仮設の飲食店舗を設計する
という課題です。

 

まずは、敷地となる駅にリサーチに行きその駅の周辺環境をじっくり調査します。

・何がある街なのか?

・どんな年代の人が多く集まる街なのか?

・何をしにその街に来るのか?

・その街の人たちは何を求めているのか?

 

つまり『どこで』『何を』『誰に』『いつ』『どのように』を徹底的に考えます。

 

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5週間かけて仕上げた各自の作品を展示して、講評がスタートします。

 

入学当初は緊張して上手く喋れなかった一年生達も、5課題目ともなれば内容も高度に

なり提案の内容もずっと濃くなってきます。『考える力』そして『伝える力』を、理論

の授業でみっちり鍛えられている成果です。

 

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そして、作品を講評する先生方も真剣そのもの!

時にはキビしい意見もありますが、それも学生たちを思ってのこと。

しっかり咀嚼してデザインする上での糧にしていってもらいたいものです。

 

講評が終わってからの時間は、ディスカッションの時間です。

講評時間では聞けなかった事や相談したかった事、もっと意見をもらいたい学生は

積極的に先生を捕まえて(?)指導してもらいます。

 

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学生同士でも作品の意見を言い合います。友達の作品について考え、意見することは、

自分の勉強にもなるからです。自分ならこうする、こう考える、と話す事がまた一つの

トレーニングです。

 

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こうして、ひとつの課題が終わればまた新しい課題が始まります。

次の課題は一年生最後の課題です。一年間学んだ集大成ですので、後悔のないよう

いい作品を作って欲しいと思います。

 

INT-1担当 まつもとさくら

2012年12月 3日

INT-1 MISC賞 受賞式

11月の下旬に『MISC賞』の授賞式がICS校舎で行われました。

『MISC賞』とは、造形の授業で行われた課題の“優秀作品”に対して送られた賞の事で

当日はMISCの『No NAME PARISH』の 西山正晴さんと『Point No.39』の杉村聡さんに

お越しいただきました!

 

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課題の内容は、MISCの各加盟店舗を見学に行き、そのお店の商品やイメージ、また

店舗の外観や内装のデザインをリサーチし、店舗のロゴを含むサイン(看板のデザイン)

とファサード(建物の正面のデザイン)の提案を新たに行う、というものです。

 

つまり、プロがデザインしたものを改めて自分なりにデザインし直すという難易度の高い

課題です。

 

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当日は、作品の講評だけではなく現在の家具屋さんの現状などもお話いただきました。

 

MISCでは本来競合となる各店舗同士が、街全体でお客様を満足させるべく、協力し合い

家具業界を盛り上げていくために活動しています。いつの日か目黒にプロダクトを中心と

したミュージアムを誘致したいと語っていただきました。

 

 将来、家具のデザイナーを目指す学生達にとって、とても勉強になるお話でした。

 

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学生のデザインした作品は、それぞれの店舗の方々に見ていただきました。

学生からみた店舗のイメージを改めて見て、新鮮に思っていただいたようです。

 

↓ こちらが受賞した作品です

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↓ 『MISC賞』受賞の様子です

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ロゴやサインそしてファサードのデザインは、いわば店舗の “顔” となるものです。

今回の課題を通して店舗デザインに活かしてもらえればと思います。

 

また、これからもMISCの方々と目黒通りを中心とした街を盛り上げる様なイベントができれば

嬉しく思います。

 

 

▼ MISCHP
http://misc.co.jp/

 

NO NAME PARISH

1960年代~1970年代のEUROPEAN VINTAGE 家具を中心に、デザイン性の高い商品を展開しています。

http://misc.co.jp/nonameparish/blog/

http://www.nonameparish.com/

 

Point No.39

これまで当然のように見つめられてきたスタイルや価値観にとらわれず、"American Vintage Things" の持つ

普遍的な美しさや造形美、機能美を追求しています。

 http://misc.co.jp/p39-clowns/blog/

http://p39-clowns.com/

 

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