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仕上げ材としての素材・工法を知り抜く!

ICSでは主に、デザイン・表現・理論という3つの授業がおこなわれています。
理論の授業では、デザインについて議論したり、作品を裏付けるための理論やデザインの歴史を学びます。
今回は、インテリアデコレーション科2学年がおこなった、理論課題の集大成となる卒業研究の講評会の様子をお伝えいたします。

今年度の卒業研究のテーマは、「仕上げ材としての素材・工法を知り抜く」です。
インテリアデザインをおこなう上で、仕上げの素材や工法を知ることは大変重要なことです。そこで、関心のある素材や工法の歴史・特性、その素材や工法を応用した作品を知る契機となるよう、テーマが定められました。
自分自身で「体験する」ことを重視し、職人や工房への取材、対象とした素材・工法の見本を制作することを必須としました。その上で、研究内容を文章にまとめ、全員の研究内容を掲載した冊子を作成。

▼講評会直前の様子。緊張しつつも、プレゼンの最終確認をしています。
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講評会には、インテリアデコレーション科の1年生も参加。
来年度にむけて、しっかりと先輩のプレゼンを聞いていました。
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▼講評会当日に届いた冊子。7名の制作委員会により作成されました。
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研究テーマとして、学生が選定したものをご紹介します。
<素材/工法>
ガラス建築、和紙、組子、障子、トタン、ロートアイアン、左官、粘土、アルミニウム、鬼瓦、ステンドグラス、モルタル・セメント、大谷石、友禅染、ミラー、木組と指物、織物
<スタイル>
木+黒鉄+緑、人肌と木肌、グラフィティ、福祉住宅、曲線、建築と植物、光と建築

上記の通り、さまざまなテーマが挙げられました。
みなさんは、この中で気になるテーマはありますか?

聞きなれないものは、「組子」「木組」「指物」でしょうか?
「組子」は、釘や接着剤を使わずに木を組み付ける技術で、障子・欄間などの枠の間に組み込んだ細い部材のことです。
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「木組」は、木造建築で、材木に切り込みを入れて組み合わせること。「指物」は、釘や接合道具を使わずに、木と木を組み合わせる組み手という技法をつかった家具、建具、調度品などの伝統工芸品の総称です。

和紙、組子、指物、左官などの伝統的な素材・工法は、職人なしではなりたたないものです。しかし、職人の数や使用される場が減っているのが現状です。これらのテーマを研究した学生は、伝統技術はなくしてはならないもので、もっと広い視野で柔軟なデザインをしていく必要があると感じたようです。

研究内容をいくつかご紹介。
「粘土」
一見インテリアデザインと関係がなさそうなテーマですが、陶器でできたマグカップやお皿などの生活用品で多く見られます。生活用品の選定もインテリアデザインのひとつです。
陶器の製造をしている工場で、益子焼を体験。同じものを作ることが出来る職人技に感動するとともに、作る人によって違うものが出来上がる面白さを感じたそうです。
自由な形を形成できたり、透明な粘土があったりと、インテリアの中で粘土の使い方に多くの可能性があると感じたようです。
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「鏡」
普段目にすることが多い鏡。しかし、鏡に映る自分は反転して見えている自分。反転しない鏡を作ることはできないのか。そのような想いから、鏡について研究し、反転しない鏡の制作に挑戦。
試行錯誤のすえ、完成しました。2枚の鏡を直角に置き、その対角線上の位置において反転せずに写ることができるようです。
▼反転していないのがわかりますか?
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「人肌と木肌」
洋服や家具を購入する際、ユーズドものを探す人が増えていることに着目しています。
家具や住居における木材に残された傷跡や凸凹、触覚、視覚から、古いだけではない懐かしさや暖かみ、親しみを感じることが出来ると考え、そのような痕跡を「人肌加工」と命名。そうした仕上げを施し、ぬくもりや想いをプラスさせるという試みで、「人肌加工」を施したサイドテーブルを制作。
▼どのような加工を施したか説明中。虫食い、擦り傷、へこみ痕などさまざまな加工をしたそうです。
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「曲線」
自分が課題でデザインするものが、自然と<曲>にいきつくことが多く、今後意味を持ってデザインできるよう<曲>について研究。
<曲>が使われている建築物を調査し、意匠的・機能的に効果があり、またそれだけではなく、アクセントとして用いることで効果が発揮されることがわかったそうです。
<曲>によって生まれる空間の豊かさに注目し、<曲>を使わない場合と比較しながら、今後の作品に取り入れていきたいとのことです。


学生が制作した見本品のご紹介。
▼「和紙」
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▼「左官」
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▼「友禅染」
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▼「指物」
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▼「鬼瓦」
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▼「織物」
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最後に、先生方にコメントをいただきました。
コースリーダー/加茂先生。
「1つのことを突き詰めて考えることは良い機会。自分の関心事を際立たせることが出来たと思う。」

デザイン理論担当/白先生。
「造られるプロセスを体験することは大切で、自分で見に行くことで考え方が変わることもある。ただの知識ではなく、自分の中から出てくるものになることを期待したい。」

デザイン理論担当/佐々木先生。
「プレゼンの中で、体験や見本制作についての話が少なかったことは残念。プレゼンの決められた時間内で伝えたいことをまとめることを意識し、卒業制作につなげて欲しい。」

半年間かけて研究したものが、最後には冊子として残り、大変良い記念になったと思います。
おつかれさまでした!


広報室 飯泉

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2014年10月15日 10:36に投稿されたエントリーのページです。

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