インテリアデコレーション科

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「終の住処」究極のダンボールハウス ワークショップ

 本日のデコレーション科2年生の理論授業は、特別講師をお招きしてワークショップが行われました。ゲスト講師は川添善行(かわぞえ・よしゆき)先生(東京大学 准教授)です。ワークショップのテーマは「終の住処(ついのすみか)」。

 1限目は、川添先生による全体講義がありました。講義では、日本の現代都市とこれからくる未来社会をつなげたお話と、今日のテーマとつながる先生の作品をご紹介いただきました。
 日本が歴史上初めて迎えるであろう、人口減少社会。その社会で求められることを具体的に思い描くことから始まります。生きる空間とお墓は相対する空間ですが、それを知ることは生きる空間を考えることになる。日本各地のお墓について研究されたお話や、実際に先生が設計されたお墓の事例をご紹介いただきました。

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 コロンビアの刑務所跡地に公園図書館を設計したプロジェクトと、岩手県大槌町で屋台を設計して被災地を盛り上げるプロジェクトの事例から、建築がその場に住む人々に与える影響をご説明いただきました。建築の出来上がっていく姿が近隣住民に安堵感を与え、明かりの元に集まる人々に笑顔がみられるようになりました。建築を通して実現できることがいろいろあることを教えていただきました。


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 講義の終わりには、川添先生とご息女の愛読書「少年と木」を読み聞かせしてくださいました。絵本に出てくる、りんごや葉、枝、幹、切り株をデザインの姿に例え、りんごではなく切り株のような何かを作れるのが大事だとおっしゃいました。これが今日の課題制作にどう影響していくのか楽しみです。

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 15分の休憩を挟んで2限目〜4限目までは、3〜4人構成で6つのグループに分かれ課題を進行していきます。課題内容はダンボールで実物大の、それにふさわしい美しさを有した「終の住処」の制作です。まずはダンボールハウスで暮らす住人の設定と、そこに至るストーリーをできるだけ具体的に考えます。若い学生にとってあまり身近ではない、人生の最後を迎える時の住まいを想像するのです。それは死を意識することであり、死に方の話にもつながるでしょう。重いテーマですが、意見を出し合い、絵本作家さながらにグループごとにストーリー展開を練っているようです。

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 本日は川添先生の助人として、川添研究室に所属されている伊藤遼太さんと小南弘季さんにこのクラスの制作をサポートしていただきました。修士課程のお二人は、時間の管理や制作方法、ロジカルな視点を含めグループごとにとても丁寧に指導されています。


 発表のタイムリミットは17時。並行して別課題のデザインチュートリアルも受けながら行うのでほぼ3時間で仕上げなければいけません。大まかな方向性が決定してからは制作班と文章班で分業するグループが多いようです。


 いよいよ発表。どのグループも、まるで映像が浮かんでくるようなストーリー展開で、短いストーリーでも「終の住処」の住人に感情移入できました。絵本の読み聞かせが影響したのでしょうか。

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 発表では、先生方が実際に「終の住処」に入って入念に空間を確かめます。学生の発表後、サポートの2名による補足説明があり、CT(理論チュートリアル)担当教員の佐々木高之(ささき・たかゆき)先生、最後に川添先生の講評をいただきます。移動型の作品やカーテンの出入口がついたもの、土の中にある設定、光や音を考慮したものなど、作品はさまざま。死を「自由になること」「浄化されること」「癒し」ととらえ、住処の使用後について考えられている作品もありました。どの作品も高評価をいただけて学生たちも満足げな様子。

 川添先生がおっしゃるには、実物大のモデルケースを体験することで生活する人を意識しながら設計する体験ができ、人に対する想像力のトレーニングになるそうです。実りある1日を過ごせましたね。本日は「仲間」となったクラス全員で打ち上げまで企画されており、参加した学生で盛り上がりました。最後の最後までエンターテナーであられた川添先生、素晴らしい体験をありがとうございました‼︎

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 このワークショップを発案した担当教員の白佐立(はく・さりつ)先生が、これまた同じ短時間で作品をまとめA5冊子を作ってくださいました。学生に負けず、いつもパワフルです。

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2015年7月 1日 12:08に投稿されたエントリーのページです。

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