『日経アーキテクチュア』編集長 真部 保良氏をお招きして、第二回「2011-2012年公開特別講義」東日本大震災復興支援特別プログラム を開催しました!

建築専門雑誌というジャーナリズムの視点から、『震災後に必要とされる「建築」「インテリア」』をテーマに講演された『日経アーキテクチュア』編集長の真部 保良氏。

建築専門雑誌というジャーナリズムの視点から、『震災後に必要とされる「建築」「インテリア」』をテーマに講演された『日経アーキテクチュア』編集長の真部 保良氏。(画像のクリックで拡大表示します)

インテリアデザインの単科校として日本で最初に創立され、今年で48周年を迎えた専門学校ICSカレッジオブアーツでは、月1回程度、主にインテリア・建築・家具デザイン界で著名な方をお招きして特別講義を行なっています。

12月10日(土)には、『日経アーキテクチュア』編集長 真部 保良(まなべ・やすお)氏をお招きして、第二回「2011-2012年公開特別講義」東日本大震災復興支援特別プログラムを開催しました。

今回の講演のテーマは、『震災後に必要とされる「建築」「インテリア」』。
真部先生には、建築専門雑誌というジャーナリズムの視点から、震災後の建築関連の動向について、震災後に編集部員が現地で見た実態や識者とのインタビューを踏まえ、次の6つの要点に整理して、実態と教訓、今後に向けての示唆について分かりやすく語っていただきました。

1.震災でメディアとして実感したこと

同誌にとって、“震災” は、頭の中に常に置いているテーマ。しかし、今回の震災は、文字通り “未曾有(みぞう)” で、これまでの震災とはまったく状況が違ったそうです。
校了(印刷の最終締切)が3日後に迫っていましたが、急きょ、動ける編集部員全員が現場に出向き、取材に当たり原稿を差し替えたとのこと。
往々にしてメディアでは、被害の大きいところに着目しがちですが、編集部員が現地で集めた生情報によって、住まい心地の違いで避難所の避難住民の変化がみられた点や、最新の建築基準法に合わせてしっかりした土台作りの戸建住宅が根こそぎもぎとられたこと、耐震改修済みのSRC(鉄筋コンクリートの芯部に鉄骨を内蔵した工法)造の建物が大破したことなどを知ったといいます。

2.浮き彫りになった建築分野の課題

今回の震災では、津波、超高層、非構造部材、液状化、避難など、分野別に見て、いうまでもなく、さまざまな課題が浮き彫りになり、分野ごとの課題を具体的に解説していただきました。
超高層では免震効果があったと報道されていますが、次回、同様の地震があった際に、免震装置を取り替える必要はないのか。また浦安の液状化、都内でも死者を出した天井材や外装材の問題についても言及されました。

3.建築専門家の被災地支援

情報に偏りがあるため、すべての活動を把握している訳ではないとのことですが、坂 茂(ばん・しげる)氏の活動については、リアリティを感じたので誌面で取り上げたそうです。紙管を使った間仕切りは、数十カ所の避難所で採用されたとのこと。また、女川(おながわ)町には3階建てのコンテナを組んだ仮設住宅も、8カ月という時間を要しましたが建造されたそうです。
「支援活動は、一度現地に行って提案するだけで実現するものではなく、何度も提案し続ける粘り強さと熱意が必要」
坂氏の場合、中越地震では提案があまり機能しなかったことから今回の紙管方式に改良を加えたそうで、“泥臭い” 地道な取り組みが実績につながったと分析されました。

4.震災後に求められる建築

真田先生がインタビューされた建築防災専門家、岡田 恒男氏(日本建築防災協会理事長・東京大学名誉教授)の “想定外と総括してはいけない。想定外のその次を考えよう” という提唱から、安心できる建築への取り組み、震災前に震災後の計画を立てておこうという「事前復興」の取り組みなどについて紹介いただきました。
また、震災後のエネルギー問題、環境問題への対応についての意識の高まりについて、同誌で連載されている東京大学准教授 前 真之(まえ・まさゆき)氏の「エコハウスのウソ」の記事を絡めてご紹介いただきました。

5.建築で日本を元気づける

ICS公開特別講義でも講演いただいた隈 研吾(くま・けんご)先生の “サスティナブル(持続可能)でありながらスペクタクル(壮大)な都市が求められている” というコメントから、「駅周辺」、「地域を元気にする動き」、「元気な街の仕掛人」というキーワードで事例を紹介していただきました。

6.境界を越える

「国境を越える」、「業界を越える」、“越える” 動きについて、事例を紹介していただきました。
講義の冒頭に、「例えば建築とインテリアについて、建築と土木について、これからは縦割りで考えてはいけないのではないか。それぞれの領域の中だけではだめで、業界の境界を越えることがこれからの主流の考え方になるだろう」との言をいただきました。
「業界を越える」については、ひとつ “ソリューション(解決)” というキーワードを提示され、今後は空間創造に強みを持つ建築デザイナーが、例えば土地活用・エネルギー・IT制御・コミュニティなど、ハードウェアとしてのインフラとそこに集う人のソフトウェアを統括して提案できる、総合的にリーダーシップをとって活動できるデザイナーに期待したいとのエールをいただきました。

「2011-2012年公開特別講義」東日本大震災復興支援特別プログラムは、まだまだ続きます。
ぜひ次回は、あなたご自身が、ご体感ください!

■【第三回/1月31日(火)19:00開演】

『復興を支える女性たちの力』麓 幸子(ふもと・さちこ)[元 日経ウーマン編集長]

■【第四回/2月10日(金)19:00開演】

『地域で取り組む震災支援』ICS×MISC[目黒インテリアショップコミュニティ]

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