建築家の安藤忠雄氏をお招きして、「2011年秋期公開特別講義」東日本大震災復興支援特別プログラム『日本に夢を』を開催しました!

【第一部/公募作品公開授業】高校生 × ICS『みんなの想いをカタチに』の講師を務めた先生方。奥より、ICS校長 水野 誠一先生、ICS理事・家具デザイナー 岩倉 榮利先生、ICS客員教授 加茂 紀和子先生、ICS副校長 マニュエル タルディッツ先生。

【第一部/公募作品公開授業】高校生 × ICS『みんなの想いをカタチに』の講師を務めた先生方。奥より、ICS校長 水野 誠一先生、ICS理事・家具デザイナー 岩倉 榮利先生、ICS客員教授 加茂 紀和子先生、ICS副校長 マニュエル タルディッツ先生。(画像のクリックで拡大表示します)

インテリアデザインの単科校として日本で最初に創立され、今年で48周年を迎えた専門学校ICSカレッジオブアーツでは、月1回程度、主にインテリア・建築・家具デザイン界で著名な方をお招きして特別講義を行なっています。

9月22日(木)には、世界的に著名な建築家 安藤忠雄氏をお招きして、東日本大震災復興支援特別プログラム『日本に夢を』と題し、一般の方もご参加いただき、2011年秋期公開特別講義を開催しました。

今回の講演は、【第一部/公募作品公開授業】高校生 × ICS『みんなの想いをカタチに』、【第二部/講演】安藤 忠雄[建築家]『夢をつくれ』の二部構成。

第一部【公募作品公開授業】高校生 ×ICS『みんなの想いをカタチに』は、「インテリアデザインができる震災復興・防災」を高校生およびICSの学生から公募し、ICSならではのチュートリアル形式授業を公開で行なうという趣向で、100点におよぶ公募作品から選ばれた9作品(高校生の部6作品、ICSの部3作品)のプレゼンテーション、講師からの講評、質疑応答が行なわれ、グランプリを決しました。

講師を務めたのは、ICS校長 水野 誠一先生、ICS理事・家具デザイナー 岩倉 榮利先生、ICS副校長 マニュエル タルディッツ先生、ICS客員教授 加茂 紀和子先生。

作品は、力作ぞろいで甲乙つけ難く、審査は紛糾しましたが、高校生の部は、神奈川県立神奈川工業高校デザイン科2年 北條 知季さん、森谷 涼さん、田中 虹大さん、藪中 大地さんによる『段ボール製ユニット家具』、ICSの部は、インテリアデコレーション科2年 河埜 智子さんによる『Panel Toilet』とインテリアアーキテクチュア&デザイン科3年 李 子龍さんによる『Oic おかゆinternet cafe』がグランプリを受賞しました。

受賞作品を含む応募作品は、ホワイエ(大広間)で展示されましたので、これをお読みいただいている方もご覧になったかもしれませんね。

受賞されたみなさん、おめでとうございました!
そしてプレゼンテーションに参加されたみなさん、公募に作品をお寄せいただいたみなさん、お疲れさまでした! 

公開プレゼンテーション(入賞)作品(発表順)
<高校生の部>
千葉県立市川工業高校 インテリア科 3年 大田原 幸子さん 『CHARITY LODGING』
千葉県立市川工業高校 インテリア科 3年 畠中 忍さん 『アトミック プラント』
千葉県立市川工業高校 インテリア科 3年 櫻井 芽衣さん 『バルーンメッセ』
神奈川県立神奈川工業高校 デザイン科2年 北條 知季さん 森谷 涼さん 田中 虹大さん 藪中 大地さん 『段ボール製ユニット家具』
千葉県立市川工業高校 インテリア科 3年 中島 美沙子さん 『なんでもチェア』
千葉県立市川工業高校 インテリア科 3年 寺澤 龍平さん 『Protect Oneself from Earthquake』
<ICSの部>
インテリアデコレーション科2年 大石 昴史さん 『かまくら』
インテリアデコレーション科2年 河埜 智子さん 『Panel Toilet』
インテリアアーキテクチュア&デザイン科3年 李 子龍さん 『Oic おかゆinternet cafe』

神奈川県立神奈川工業高校 デザイン科3年 北條 知季さん 森谷 涼さん 田中 虹大さん 藪中 大地さんの作品『段ボール製ユニット家具』

神奈川県立神奈川工業高校 デザイン科2年 北條 知季さん 森谷 涼さん 田中 虹大さん 藪中 大地さんの作品『段ボール製ユニット家具』(画像のクリックで拡大表示します)
<講評>
「今回の震災では避難所暮らしが大きな問題になりました。この提案は、そこに着眼したことがたいへん評価できると思います。また、企画書もしっかりしていますね」(水野)
「段ボール紙を二重にして強度を出しているのが素晴らしいと思います」(加茂)

インテリアデコレーション科2年 河埜 智子さんの作品『Panel Toilet』

インテリアデコレーション科2年 河埜 智子さんの作品『Panel Toilet』(画像のクリックで拡大表示します)
<講評>
「自分たちで自分たちが使うトイレを作るという発想がいい。また、工事現場のフェンスという本来、異なる機能の部材をリユースするというのも上手い。工法・構造・経済面で非常によく考えていると思います」(タルディッツ)
「参加型を意識したのがすごい。DIY(do-it-yourself)を超えて、美しく楽しい空間づくりに積極的に関わることができそうです」(岩倉)
「避難所は暗いでしょう。明かりは単に暗がりを照らすだけでなく、暖かみを感じさせてくれるありがたいものです。4色のプラスチックパネルは、重ねると中間色にもなり、夜は外に明かりを灯してよりどころになってくれそうです」(加茂)
「このアイデアは面白い。トイレに限らず、避難所のパーティションとしても上手く利用できそうだ。また、色で個性を出すなど応用も考えられる。避難所生活のレゴランド(レゴのテーマパーク)化として、またDIYの発展型として、さらに発展させることができそうです」(水野)

インテリアアーキテクチュア&デザイン科3年 李 子龍さんの作品『Oic おかゆinternet cafe』

インテリアアーキテクチュア&デザイン科3年 李 子龍さんの作品『Oic おかゆinternet cafe』(画像のクリックで拡大表示します)
<講評>
「防災、インターネット、万能食である “おかゆ” という取り合わせ。発想がおもしろい。また、考え方のプロセスが明確に整理されている」(水野)
「街の中に自分の拠点を作っておくのは大切だと今回痛感した。そこをうまく突いている。デリバリーも行なうとか、インターネットという通信手段の基地という発想もいいですね。揺れで箱が落ちないのかというのはちょっと気になりますけど」(加茂)
「おかゆネットカフェとはうまいねえ! 生きることを支える “かゆ” とネット、変化する “箱” という結びつけがおもしろい。 “遠い先輩(40年ほど前にICSを卒業)” ですが、久々にいい作品を観て嬉しいです」(岩倉)
「立地する神宮前には外人が多い。 “おかゆ” が嫌いな私はどうすればいいのでしょう(笑)」(タルディッツ)

そして、しばしの休憩の後、いよいよ第二部【講演】安藤 忠雄先生による『夢をつくれ』がスタート。
秋雨の降るなかでしたが、ICSの学生と一般の方を合わせ700名もの観客に、会場は開演前からすごい熱気。講演の前後には安藤 忠雄先生によるサイン会も行なわれました。

現在、東日本大震災復興構想会議で議長代理を務められ、「鎮魂(ちんこん)の森」構想や震災遺児を支援する「桃・柿育英会」活動にも積極的に取り組んでおられる安藤 忠雄先生。

講演のスタートは、「日本に先は無いのか?」という問いかけから始まりました。
「原発問題に端を発しエネルギーがなくなると、国から企業は出ていく。来年の今頃には、確実に企業は少なくなるだろう。若者たちはいったいどうすればいいのか?」と警鐘を鳴らされ、「日本をもう一度チャンスのある国にしよう」「若者は野心と野性を持て」など、ご自身の作品紹介と絡めながら、若者への期待を熱く語ってくださいました。

古い建造物に卵を抱かせる着想、急傾斜の山腹に沿う集合住宅、与えられた土地の境界を超えた構想など、安藤 忠雄先生が手がけられた作品の、一見、破天荒に思える着想や大胆な設計は、先生の中では数十年間暖め続けたものだそう。その執念ともいえるものづくりへの情熱の一方で、活かしたいもののためには、ばっさりと常識・定石を切り捨てる。その明快さが、先生の生き方に重なるようでした。

たくさん語っていただいた語録のなかから、ここでいくつかご紹介します。
「自分の眼で何を見て、体験して感動したか。それを覚えておくことが大事だ」
「一度やると決めた事は、最後までがんばらなければならない」
「若い人はモノの善し悪しを自分の感性で捕まえていかないといけない」
「20年も30年も自分で考えたものを抱き続けよう。その抱いた思いを孵(かえ)すのは、自分自身だ」
「頼まれたものだけをやっていてはだめ。境界を超えて物事を考える。そこから道は拓(ひら)ける」
「夢は大きく持とう。ただしそれが開花するかどうかは別。自分のやりたいことを形にするには、戦略・想像力、それに考え続ける持続力が必要だ」
「物事をとにかく考え抜く」
「可能性が少しでもあれば、それを信じていこう」
「10代20代で基礎をきっちり踏み固めておかないといけない。建物の土台がぐらつくと倒れるのと同じだ」
「人がそこに生きている限り、建築の場所はある。その隙間を見つけ、具現するためには感性を磨き、戦略を持つことだ」
「物事を考えるトレーニング、例えばご飯を作るでも服のコーディネートでもいい。それを毎日、一生懸命考えよう」
「自分の力を信じて前を向いていけば可能性がある」

・・・まだまだ語録はつきません。
とにかくエネルギッシュにストレートに語る安藤 忠雄先生。会場は先生の話にぐいぐい引き込まれて、気が付けば終演の時刻でした。

2008年に続き2回目の講演。ご参加いただいた方々は、たくさん元気をいただいたことでしょう!
学生たちにとっては、どうやって生き抜くかを様々な語り口から教えていただいた感じです。
安藤 忠雄先生、本当にありがとうございました!

講演の合間をぬってサイン会に応じてくださった安藤 忠雄先生。

講演の合間をぬってサイン会に応じてくださった安藤 忠雄先生。(画像のクリックで拡大表示します)

会場のホワイエ(大広間)には、応募作品がずらり。みなさん熱心に見入っていました。

会場のホワイエ(大広間)には、応募作品がずらり。みなさん熱心に見入っていました。(画像のクリックで拡大表示します)

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